生地と始めて出会ったのはロンドンのアンティークマーケット。
ざっくりとした麻に藍染めで、一目見たときから恋をしました。
店主に聞くとハンガリーのアンティークだと言う。
その時は節約中で購入できず悔しい思いをしました。
諦めきれずにグーグルに聞いてみたところ、イギリスの新聞の特集を発見。でも、そこに書かれていたのは電話番号と名前のみ。
今回のテキスタイルと出会う旅にハンガリーは入っていなかったのだけど、どうしても見たい。そこで、この旅の計画にハンガリーが加えられたのでした。
ハンガリー人の友達と親身な宿の人に助けてもらい、朝8時出発の電車に乗り換え一回の計3時間でようやく目的地へ。
何にもない駅を降り、雪道をひたすら真っすぐに道なりに進んでいくと、雪道に映えるブルーの塀が見えてきました。
本当は次の日に行く予定で電話もしてくれていたのを、予定を変更して前倒ししたので見学できるか心配だったけれど、おじいさんが迎え入れてくれました。もちろん言葉は全く通じず、『ヤパン』と言ってみたら何となく通じた様子。
ドアを開けて入れてもらった時の感動は何とも言えません。
きちんと行程が番号順になっていたりで、小さいながらもきちんと見学者用に整備されていました。おじいさんが色々説明をしてくれたのですが、もちろん意味は分からない。でもジェスチャーで言いたいことは何となく分かった気がしました。
何と、ここは藍染めだけではなくプリント方法がブロックプリント!
インドのブロックとは違って木に直接彫るタイプではなく、釘を打ち付けてつくるタイプのもので、版木のブロックよりも繊細なもの。
このように手でプリントするコンパクトなものと機械用の長いものがあります。機械とはいえ古いもので、その道具は代々受け継がれていたであろう長年の風合いがあります。
おじいさんが実演してくれました。
ついでに私も。
一緒にリキュール入りのコーヒーを飲んで握手でお別れ。
駅までの道すがらまだ胸がドキドキしていて、今度は夏に行こうと堅く決意したのでした。