ハンガリーが今回の旅に加わった2つめの理由。
それは、会社の書庫にあったハンガリーの写真集を見たときに衝撃を受けたからでした。学生の頃は新しいものをつくることばかりを考えていた私にとって、海外の伝統工芸である生地を見るということが新鮮で、そこから私の気持ちが少しクラフトの方へ移っていったとも言えます。
かつての人が、工夫をして見つけた技法の数々は素晴らしいし、その土地で育まれたパターンや色の褪せた風合いも美しい。と思うのです。
そんな思い出を胸に、乗客のほとんどいない列車に乗り移動をします。粉雪がちらつく外の景色を見ながらゆっくりゆっくりと目的地を目指していくと、どんなテキスタイルを見られるか気持ちが高揚していくばかり。
Budapestから列車で片道2時間かけマチョー美術館へ到着。
今回はインディゴの村と違い、少し大きな街です。駅から10分ほど歩き美術館へ。少し残念だったのは、美術館とはいえ郊外だけに展示の明かりの取り方が悪く、ガラスに反射をしてちゃんと細かな部分を見れなかったこと。
子供のようにガラスに顔を近づけ真剣に細部を見ていたら、学芸員の人に怪しまれてしまいました。通じないけど「ここのテキスタイルは素晴らしいのに展示の方法が見にくいんです!残念。悔しい!」と伝えます。伝わってなかったけれど、言わずにはいられないほどでした。たぶん学芸員の方も驚いたと思います。あとで、少しばかり言い過ぎたかなと後悔しました。でも生地好きにはきちんと見えないことが苦痛だったのも事実です。来たくて来た街なのに、来たことをほんの少し後悔したほどです。
でも、きっと気持ちは伝わったはず。
本当は写真を載せてはいけないのだけれど、こっそり載せてしまいます。
美術館のみなさん、ごめんなさい。
この、大きなポンポン飾り!マチョー地方の伝統衣装は刺繍だけではなくて、こんなに可愛い装飾品もあります。
元々の色合いであったであろう色よりは、この色のほうが何倍も素敵な気がする。きっと使っていた人の気持ちや生活などに思い巡らし、歴史もセットで見えてくるから魅力が何倍にもなるのかもしれない。
この村には今もまだ茅葺きの家が数件あって保護の対象になっているそう。祖母の家が茅葺きでとても好きだったので、茅葺きがある限り見ずにはいられない性分です。門もセットで可愛い家でした。
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