フィガロに載っていたボビンレースの村 "Lepoglava"。
少ない雑誌の情報をたよりに、宿の人の助けを借りたりバスターミナルの人を質問攻めにし、ようやく手に入れた情報でその村へ出発しました。
クロアチアの田舎の景色をぐんぐん進み2時間でようやく中継地点のVarazdinに到着。
バスの乗り換えを経て目的地へと進みます。
バス停の案内もバス停もないようなものなので、到着時間をにらめっこしながらようやくの到着。
辺鄙なバス停から迷い、ようやく辿り着いたギャラリーも公民館に併設されている小さなもの。でも、ボビンレースの編み手さんを連れてきてくれ実演までしてもらいました。
30分ほど、じっくりと見ていたけど全然どうなっていうのか判明できません。
織りのようでもあり、編みのようでもあり。ボビンレースの知識はあったものの、技法がどうなっているのか知らないので全く理解できずじまいでした。
この村のレースについてギャラリーの人に色々聞いてみると、今でも親から子へ伝承されていて100人近い村人が編む事ができるそう。その中でもエキスパートは20人ほどいるそうだ。
かつてレースのブランドの立ち上げに参加していた時でさえ、作り手が既に根絶していた幻のボビンレースにここで出会えるとは。
100人もの人が編む事ができる現実に、本当に嬉しくなりました。
伝統が消えて、美術館で見る事しかできなくなるという事は本当に悲しいことだと思う。
だからこそ、こういう村に来れた事が嬉しくなる。
今でも、毎年9月にはレースの発表会のようなものがあって、編み手さんが自分の考えたレースを披露するのだとか。
伝統を守ること、受け継ぐことは本当に簡単な事ではないけれど、こうやって受け継がれていくことは素晴らしいし、なかなかできる事ではない。
小さな小さな村だけれど、そこにある伝統を受け継ぐ力は本当に力強い。
ギャラリーではこうして販売もしている。手前の作品はふち飾りで、後ろに見えるのはドイリー。
ギャラリーと同じ建物内の図書館ではこのような資料も。
読んでみると、レースで有名なのはやはりイタリア、フランス、ベルギーだけれど、この村のレースがフランスの王に献上された事もあるという文献が存在しているとのこと。
今もどこかの家で、おばあちゃんに教えてもらいながら孫がモチーフを編んでいる姿を想像してみる。
こんな風に今でも伝統を継承されている村が世界のどこかに存在していると思うとわくわくして仕方ない!